ローコード開発はkintoneがおすすめ、kintoneの特徴

kintone

こんにちは。SEタケです。

ローコード開発でシステムを作成する場合、どのローコード開発ツールを使用するか、悩ましいところですね。

ローコード開発ツールにもいろいろありますが、小規模ビジネスでこれからシステムを導入する場合、ポイントとなるのは敷居の低さ、すぐに使い方を覚えらえるシンプルさではないでしょうか。

多機能で複雑なシステムが作成できるローコード開発ツールも魅力的ですが、いろいろなことができる分、使い方も簡単ではありません。システムの変更や追加をしたいとなったときに、自分や身近なメンバーでメンテできた方がいいのですが、メンテできる人が身近にいない場合は、どこかに発注する必要がありますよね。

そういう意味で、最も敷居が低くて導入しやすいのは、kintoneがおすすめです。シンプルな構成で、使い方を覚えるのが簡単ですし、システムの変更や追加もコツをつかめばすぐできるようになります。

というわけで、ここではkintoneがどのようなものか、ざっくり説明していきます。

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kintoneの概要

kintoneとは、サイボウズ株式会社が提供しているローコード開発ツールです。既に20000社以上の導入実績があります。

システムをドラッグ&ドロップで作成して使うことができます。コーディングなどは、特殊なことをする場合以外は必要ありません。

画面も見やすくシンプルな構成ながら、工夫次第で複雑なこともできるような機能も用意されています。最初に使い始める敷居が低く、小さく始めて大きく育てていくのに最適なツールです。

クラウド形態で提供されているツールですので、ブラウザがあればすぐ使用できますし、メンバーとのデータ共有も簡単です。スマホ対応もしていますので、外出先やPCが使えない環境でもすぐ確認できます。

エクセルの1シート≒1アプリ

kintoneには「アプリ」という単位でシステムを作成します。また、作成した「アプリ」にデータを追加して使用します。(ここでいう「アプリ」とは、一般的にいうアプリとは少し意味が違います)

1アプリのデータ構造は、縦横の表のようなものです。エクセルの1シートのようなものと考えてください。表には、列(表題)と行(データ)がありますが、kintoneでアプリを作成するのは、表の列を定義するようなイメージです。また、アプリにデータを追加するのは、表に行を追加するようなものです。

アプリを作成する際、列を定義するようにデータ項目を追加していくのですが、いくつかタイプを選択できます。テキスト入力であったり、ラジオボタン選択やチェックボックス選択などです。他のアプリからデータを選択できる項目や、添付ファイルの項目も追加できます。そして、追加したデータ項目がそのまま、入力画面になります。

つまり、エクセルの表で管理できるデータを、kintone上で管理するところから初めて、そこに便利な機能を追加していく、そんな感じになります。シンプルでわかりやすいですね。

他の多くのローコード開発ツールとkintoneの大きな違いの一つは、このデータ構造と画面が一致している(分離していない)ということがあります。これによってkintoneは、直観的な使いやすさを実現しています。そして、これがデメリットになるケースでは、プラグインで補完することもできます。

以下、データ構造と画面の分離について、少し補足して説明します。

kintone以外の大抵のシステムでは、データ構造と画面が分かれています。データ構造を先に作成してから、そのデータに対して入力や参照を行う画面を作成する、という仕組みです。データ構造は複数の表形式のデータ、画面は各業務に合わせて必要な形でデータを表現します。

これは何がいいかというと、データ構造として最適化したものと、各業務毎に最適な表現を分けることができる、ということです。

例えば、在庫データがあったとして、在庫の入荷時と出荷時で、業務に必要なデータは異なりますよね。ですので、それぞれ業務ごとに必要なデータだけ表示する画面をつくれば、余計なデータに惑わされない使いやすい画面ができます。

また、1つの画面で複数の表データを扱いたい場合もあります。出荷時に、商談データのステータスを確認したり出荷済みにしたい、などです。

データ構造と画面が分離していないと、入荷と出荷の画面は同じものを使うになりますし、在庫データと商談データは別々の画面で操作することになります。これは地味に面倒くさいかもしれません。

kintoneは、プラグインを使ってこのようなケースにも対応できるようになっています。最初はデータ構造と画面を一致させたシンプルな仕組みで使い始め、必要に応じてデータ構造から分離した画面も作ることもできます。

アプリの画面は一覧と詳細で統一

アプリを使用する際、1アプリにつき一覧と詳細の2画面が用意されています。

操作の流れは、基本的に下記になります。

  • アプリを選択→一覧でデータを確認→データの追加
  • アプリを選択→一覧でデータを確認→データの編集
  • アプリを選択→一覧でデータを確認→データの詳細確認(→追加または編集)

kintoneはすべてのアプリが基本的にこの構成です。一般的なわかりやすい画面遷移で統一されているので、すぐに慣れますね。一覧は条件で絞り込みをしたり並べ替える機能もありますので、目的のデータを探しやすくなっています。

統一感があるほうが予想がしやすく使いやすいですし、アプリを作成するときに画面構成を考えなくてもすぐ使える、というメリットもあります。

また、必要に応じてプラグインなどでより複雑な画面構成にすることもできます。

例えば、画面を次々に進めていくウイザード形式にしたり、ボタンを押すだけの画面(出退勤など)や、メニュー形式で1画面からいろいろな機能に飛ぶボタンを付けるなど、いろいろ考えられますね。

ですが、あまりやりすぎると、統一感がなく逆に使いにくいシステムになってしまう場合もあります。kintoneは基本の画面構成が決まっているからこそ、必要に応じてより使いやすい画面を用意することで、確実に便利なシステムにしていくことができます。

アプリ間の連携方法

kintoneのアプリは単体ではエクセルとさほど変わりません。システムというからには、アプリ間の連携をしたいですね。

kintone単体でアプリ間の連携をサポートしている機能は、下記があります。

  • 他アプリから1レコードを選択する「ルックアップ」機能
  • 他アプリの関連するデータを表で表示する「関連レコード」機能

例えば、顧客データと販売データのアプリがあるとした場合、顧客データにその顧客に販売した販売データの一覧が表示する、というようなことができます。

ただ、これ以外でもっと複雑な連携を行いたい場合は、プラグインなどの利用を検討する必要があります。この辺りは少し弱いような気もしますが、工夫次第で意外と応用はききますので、そこまで困るようなことはなさそうです。

標準にない機能はプラグインを利用

kintoneには、多数の会社から様々なプラグインが提供されています。

有料(または無料)の汎用的なプラグインであったり、マネーフォワードなど他のシステムでkintoneと連携できるプラグインが提供されている場合もあります。

例えば、下記のような機能を提供するものがあります。

  • 一覧の絞り込み機能を便利にする機能
  • 複数のアプリを一度に参照または更新する画面を作成できる機能
  • フォームから自動でアプリにデータを登録する機能
  • アプリにメール送信ボタンを追加する機能
  • データ更新時に特定の条件で自動的にメールを送信する機能

その他、探せばたくさんあります。たまにうまく動作しなかったり、プラグイン同士が干渉して誤作動する場合もあるそうですが、無料はともかく、大抵の有料プラグインは問題なく使えるかと思います。

より複雑な仕組みは、Azureなどを利用すればできる

kintoneには、外部システムと連携できる機能として、アプリに下記の機能があります。

  • スクリプトを埋め込める機能
  • 外部のプログラムからデータ操作(参照、追加、更新、削除)ができるAPI機能
  • 外部のプログラムにデータを連携するWebhook機能

これらを組み合わせて、より複雑な仕組みを作ることができます。

kintoneには様々なプラグインが提供されていますので、基本的にはプラグインで対応したいところですが、それではどうしてもできないこともあります。例えば、AI関係などの機能はプラグインでは今は難しそうです。

そういう場合は、例えばマイクロソフトが提供しているAzureなどのサービスを使用する方法もあります。AzureはWebhookのリクエストに応じた処理を行ったり、AI機能などを提供しています。特にAI機能は強力で、画像認識、音声認識、チャットボット、翻訳、データ分析、その他さまざまなことができます。

例えば、画像認識なら、添付ファイルを選択したときにスクリプトでAzureの画像認識サービスを呼び、結果を他の項目にセットしたりできます。

また、あるアプリの更新タイミングで、関連するアプリの該当する複数レコードを纏めて更新するような処理も、プラグインにはなさそうですが、Azureを使えば可能です。例えば製造業で製品の受注を登録したときに、複数ある原材料の在庫から自動で引当てて、原材料の在庫データを更新する、というようなことです。

Azureの利用は専門知識がないと難しいですが、普段はkintoneやプラグインを使って社内メンバーで対応、どうしてもできないことはAzureで外部に発注、という使い分けも考えられます。

性能は大丈夫?

kintoneは便利なツールですが、限界もあります。

アクセス数やデータ量に関する制限事項が公開されていますので、目を通しておかれた方がいいでしょう。

制限値一覧 (cybozu.help)

また、稼働率の実績も公開されています。1ヶ月の間に30分~1時間程度の定期メンテナンスと、1年の間に30分程度の停止時間(トラブル等)があるようです。これは許容範囲内でしょうか。

稼働実績 | インフラ運用 | サイボウズのクラウド基盤サイト (cybozu.com)

まとめ

kintoneは、小さいシステムから初めて、使いながら大きくしていくには最適なツールです。

価格も最初は安価な構成から初められます。必要に応じてプラグインにもお金はかかりますが、必要な機能を選んで導入できます。Azureを使用すればAIなど便利な機能も追加できます。

ローコード開発ツールをご検討の場合は、kintoneも候補の一つに加えることをお勧めします。

 

kintoneにはどのようなプラグインがあるのか、気になった方は、こちらもお読みください。

kintoneプラグインの探し方、お勧めプラグイン4つ

Azureについては、こちらの記事にも書いています。

kintoneでプラグインがないときは、AzureのLogicAppsを使ってみよう

kintoneでのシステム構築を、外部の業者に発注される方は、下記も参考にしてください。

ITシステムの発注時、小規模でも伝えた方がいいこと

 

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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